Evelyn Champagne King – i’m in love(1981)

イヴリン・キング(Evelyn King、1960年7月1日 – )は、アフリカ系アメリカ人の女性歌手。ニューヨーク・ブロンクス区出身。1970年代に「”Shame”」や「”I Don’t Know If It’s Right”」などがヒットしますが、本日は、i’m in love(1981)をご紹介致します!!!!!

世界一やさしい依存症入門; やめられないのは誰かのせい? (14歳の世渡り術) 単行本 – 2021/8/24

「スマホもゲームもやめられない」「市販薬を飲む量が増えてきた」「本当はリスカをやめたい」…
誰もがなりうる「依存症」について、最前線で治療にあたる精神科医がやさしくひも解く。

差別はたいてい悪意のない人がする – 2021/8/26キム・ジヘ著,尹怡景訳

性差別、LGBT、外国人、障害者…あらゆる差別は、マジョリティからは「見えない」。私たち自身の中にある思考のバイアスと、日常の中にありふれた排除の芽に気づき、真の多様性と平等を考えるための思索的エッセイ。

新刊「経済学者が語るスポーツの力」のご紹介

2021/10/11 佐々木 勝 (著) 有斐閣

スポーツによって得られる効果は,健康の維持・増進だけじゃない! 非認知スキルや労働生産性の向上,介護費の減少など,私たちに幅広い効果をもたらすとともに,スポーツ選手の活躍は人々に感動を与え,社会に大きなベネフィットをもたらす力を秘めている。

苦役列車 -西村賢太氏

今まで、C・ブコウスキー、ヤン・ソギル、八木義徳をご紹介して参りました。そして、今回は、西村賢太氏です。何だか読書傾向が偏っている、と思われるかもしれしません。井蛙が露呈して気恥ずかしい限りです。

さて、西村氏の著書に関しては、「暗渠の宿」「廃疾の宿」(ともに新潮文庫)しか読んでおりませんので、鳥瞰的な視点でも読めているのか、全く自信はありませんが、いずれれも西村氏の体験を基盤にした作品のようです。所謂「私小説」の部類に入る作品のようです。

ところで、「私小説」とは?、と問われた場合、どう返答したら、よいのでしょうか。厳密に区分することことは不可能に近いことなので、根本的に小説は虚構ですから、素材を自らの体験から選んだ作品だ、と定義しているようにしています。しかし、その作品には普遍性がなければならない、と考えております。

この「苦役列車」の主人公は貫多という若者です。生来自堕落、無計画で奔放といえば、奔放。低学歴、父親が性犯罪者ということ事情があって、劣等感に苛まれています。
この劣等感が起因となって、強烈な、醜悪なまでの嫉妬心、敵愾心を抱え込んでいます。そして、それが貫多を負のスパイラルへと誘導してしまいます。

しかし、この作品においては、悲愴なほどの「劣等感」なるモノが読んでいくうえでの強烈な推進力となっています。劣等感は、小生を含めて、程度の差は人間すべてが持っているからでしょう。つまり、普遍性を確保しているのでしょう。しかし、陰陰滅滅気味の物語の背後に、この作者独特のユーモアがあり、その点が魅力でもあり、かつ、救いでもあります。

草壁丈二

必ず役立つ! 「○○(マルマル)の法則」事典 (PHP文庫)

私の知己から必ず役立つ! 「○○(マルマル)の法則」事典 (PHP文庫)は面白かったよ、と薦められたので、早速購入して読んでみました。結論からいうと、非常に面白かったです。

で、この著書から一部を下記に抜粋してみました。

まず「80対20の法則」(パレートの法則)から

・1日の行動時間の80%は、自分の知り合いの中の20%と一緒に過ごしている

・故障のうちの80%は、部品の20%に原因がある

・売上げの80%は、全顧客の上位20%が占めている

特に3番目は、マーケティングに携わっていらっしゃる方は、ご存知ではないでしょうか。

次に「ソッドの法則」から

・何かを口にすると、それがよいことであれば実現せず、悪いことであれば、現実になる

・起こらないだろうと願うとその通りになり、起こると期待すればそうならない

・誰でも懸命に計画を立てるが、大半はうまくいかない

実感として、そう思えます。

次に「パーキンソンの第1法則」から

・たとえ仕事が全くなくなっても、官僚の数はひたすら増え続ける

役所の動きを見ていたら、首肯できます。

最後にオモシロネタとして使えるものから

・その会社の社長が、自分の過去の苦労話に大半を割くようであれば、その会社の成長性は高くない

・社長が著名人との交際をにおわせたり、強調する時は、その会社への投資を避けたほうがいい

・体操を強要する会社は儲からない

・社長室の豪華さと、その会社の成長率は反比例する(つまり、豪華であればあるほど、成長は低くなる)

・事務所でスリッパに履き替えさせる会社は、不思議と儲からない

ビジネスの世界で辣腕を揮っていらっしゃる方が執筆なさっているだけあって、実践的で、かつ、各法則の解説も実にわかりやすく、脱帽致しました。

以下AMAZONの「商品の説明」を引用

内容紹介
間違いは必ず起こる=マーフィーの法則
支出額は収入に見合うまで増加する=パーキンソンの法則
売上げの80%は20%の商品(顧客)がもたらす=80対20の法則
世の中には、人間の努力をあざ笑うかのように、「あるある」と言いたくなる不思議に正しい“法則”がたくさんある。本書は、国際ビジネス・コーディネーターとしても活躍する著者が、人生に役立つ「経験則」を厳選し、それらが生まれた背景やエピソードなどを交えて綴った読み物。
第1章「基本法則」では、物事が単純な比率に基づくことを説明し、第2章「人生の法則」では、恋愛や結婚、生活全般を左右する様々な法則を幅広く取り上げる。第3章「失敗と成功の法則」では、人が犯しやすい失敗とその原因を解明し、第4章「組織の法則」では、組織の抱える矛盾や愚行を紹介しつつ、第5章「企業人の法則」で、企業人の苦悩とビジネスを合理化する方法を授ける。
商談や飲み会のネタとして使える目からウロコの70選。

内容(「BOOK」データベースより)
マーフィーの法則、パーキンソンの法則、80対20の法則…など、世の中には人や組織の矛盾や悲哀を、ユーモアたっぷりに表現した法則がたくさんある。本書は、国際ビジネス・コーディネーターとしても活躍する著者が、特に人生に役立つ「経験則」を厳選し、それらが生まれた背景やエピソードなどを交えながら綴った読み物。商談や飲み会のネタとしても使える、目からウロコの70選。

それで、姉妹編というべきか、

必ず役立つ! 「○○(マルマル)業界の法則」事典 (PHP文庫)

という本もありましたので、必ず読む予定です。

「血と骨」-梁石日(ヤン・ソギル) 幻冬舎文庫

今日の推薦テキストは、梁石日氏の、あの「血と骨」です。

梁石日氏の作品群の中には、自伝的要素を含んだものがありますが、この作品も、その1つだろう、と思います。

主人公は、梁石日氏の父親と思われる金俊平。強靭な肉体を持つ魁偉な男。性格は、狡猾、残忍、凶暴、吝嗇。そして猜疑心に翻弄されて誰も信じることが出来ない。身内すら信じていない。

戦前の大阪の朝鮮人居住地域で、この金俊平は、家族を、世間を一切顧慮することもなく、己の欲望のおもむくままに女たちを陵辱し、極道たちをも粉砕してしまいます。その姿は、阿修羅の如し、といったところでしょうか。これほどまでに我欲に忠実であれば、却って清々しさすら感じてしまいます。

この力作の魅力・素晴らしさを伝えきれなくて、忸怩たる思いですが、個人的には、底知れず面白かった、ということは間違いない事実でした。

さらに、この作品では、戦前の朝鮮人の暮らしぶりや日本の社会における境遇を窺い知れることが出来る、というプラス要素もあります。

どうか、ヤンソギル・ワールドを満喫してください。

草壁丈二

朝鮮人強制連行(岩波新書 外村大氏著)

本書の特徴は、膨大な史料をベースにして、朝鮮人強制連行の実態(計画の策定から、動員の実態、そしてその崩壊まで)を理性に裏打ちされた冷静な姿勢で解明していき(本著に用いられなかった史料の方が圧倒的に多い、と推測されます)、本書からの引用になりますが、「マイノリティに不利な条件を押しつける国家や社会はマジョリティをも抑圧していた。そして、そのような状況をマジョリティが自覚し改善し得ずにいたことが、朝鮮人強制連行のようなマイリティに対する加害の歴史をもたらしたのである」という核心・本質に迫っていきます。

そして、「「朝鮮人強制連行の歴史は、”朝鮮人のために日本人が覚えておくべき歴史”ではない。それは、本書で述べてきたように、民主主義を欠いた社会において、十分な調査と準備をもたない組織が、無謀な目標を掲げて進めることが、もっとも弱い人々を犠牲にしていくことを示す事例として、奴隷的な労働を担う人びとを設定することでそれ以外の人びともまた人間らしい労働から遠ざけられるようになった歴史として記憶されるべきである。」(本書引用) 」と結んでいます。

正鵠を射た結論であり、懐疑を抱く余地が全くありません。

本書を読んたうえでの個人的な収穫の1つに、当時の統計資料から強制連行が始まる頃の朝鮮農村部の状況がわかったことが挙げられます。

最後になりますが、大変有意義な本でした。ご一読をおすすめ致します。

草壁丈二