ノンバーバル・コミュニケーションの 活用法

「ワープロソフトを使って、プリントアウトして受け取った手紙は、あまり印象に残らない」という声を聞いたことはないでしょうか?
 
そういう内容の新聞記事を読んだことがありますし、トピック的なインターネット調査でも、同様な結果が出ていたので、誰もがそう感じているのかもしれません。

原因は何なのでしょうか?

1つは、あまりにも普及し過ぎて新鮮味がないからでしょう。もう1つは、情報量が少ないという理由が考えらます。

何故情報量が少ないのでしょうか?

同じ文章をプリンターで印刷したものと手書きしたものとで比較した場合、確かにバーバル(言語)な情報量は同じであるはずですが、実は手書きの方が決定的に情報量が多いのです。ノンバーバル(非言語)の領域の情報も伝えているからです。
字のうまさ・へたさ・丁寧さ・雑さ、字の配置バランスなどから、書いた人間に関するキャラクター、心理状態、手書きによって費やした時間で推し量れる「熱意」などの情報も同時に伝えるからです。

 「人は見た目が9割」(竹内一郎氏著 新潮新書刊)には、アメリカの心理学者アルバート・マレービアン博士の人が他人から受け取る情報の割合についての実験結果が記載されています。

・顔の表情 55%
・声の質(高低)、大きさ、テンポ 38%
・話す言葉の内容 7%
(実験結果は「人は見た目が9割」から引用)

 つまり、人が他人から受け取るバーバルな情報は、わずか7%であり、従って、著者は「人は見た目が9割」と主張しているわけですが、この実験結果を見れば、如何にノンバーバル・コミュニケーションが重要か、ということがわかります。

 手紙の場合は、人と会って話す場合と比べてノンバーバル・コミュニケーション量の割合は当然低くなりますが、それでもプリンターから打ち出したものよりは情報量が多いのです。

 こういうノンバーバル・コミュニケーションの妙を知っていれば、重要なクライントなり営業すべき潜在クライアントなりに直筆による手紙を出すことはビジネス展開において有利になる、ということが理解できます。

しかし、現実問題として時間という制約がありますから、すべてを直筆で書くということは不可能ですが、あなたの仕事の状況やあなたの判断に応じて直筆の手紙をお出しすることをお勧めします。

 あるアメリカの会社の社長は、自分が経営者に向かないとわかっていました。それで何をすべきか、考えた末、毎日全従業員に直筆の手紙を出すことにしました。すると、従業員のモチヘーションが上がり、業績がよくなりました。

直筆の手紙には、想像以上のパワーがあるのかもしれません。

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