オホーツク文学碑公園



オホーツク文学館

生田原駅に隣接した「オホーツク文学館」は、「オホーツクいしぶみの森」の構想の一つの柱として、1993(平成5)年夏、旧生田原駅舎跡に図書館と駅の待合所をかねて建設されました。


オホーツク文学の道

「オホーツク文学の道」には、オホーツクの四季をテーマとした文学作品が刻まれた4基のモニュメントがあります。
 
「春 ― 野の花と石碑と ― 加藤多一」
「夏 ― 北浜と原生花園 ― 戸塚文子」
「秋 ― 国境の海    ― 杉浦明平」
「冬 ― 海明け     ― 八木義徳」



オホーツク文学碑公園

1992(平成4)年、「オホーツク文学碑公園」はオープンしました。広々とした園内には、オホーツクを描いた文学者の碑19基が建立されていて、その中には八木義徳の「北オホーツク沿岸」をテーマとした文学碑もあります。



八木義徳 北オホーツク沿岸
  
暮しのかかった言葉は美しい、と私は
もう一度思った。この“海明け”という
言葉は、オホーツク沿岸の漁師たちの
痛切な生活実感のなかから生れた言葉に
ちがいない。それは単に流氷が去って
海面が明けるという意味ばかりでなく、
きびしくて憂鬱な永い冬がようやく
去って、待望の 春がやって来たという、
いわば自然の幕明けを意味する言葉であ
り、同時に彼らの生活の幕明けを意味す
る言葉でもある。
この言葉には明るい色彩があり、
確かな実感がある、と私はまた思った。
そうしてこの“海明け”という言葉は、
私の記憶の中にしっかりと刻みこまれた
のである。

小説「風景」より